2025年9月18日木曜日

住宅選びのポイント

戸建ての家探しをはじめると、「新築がいいか、中古か」「建売か、注文住宅か」という選択肢にまず目が行きますよね。しかし、私が家づくりを経験して痛感したのは、それよりもっと手前で考えるべき重要なことがある、ということです。

それが、家の「性能」です。

今回は、なぜ家の「性能」が、デザインや間取りよりも大切なのか。その家が、家族の健康と安心を長く守るための「最高の資産」になる理由を、具体的なチェックリストと共にご紹介します。

1. 家の価値は「性能」という土台の上に成り立つ

まず、私が考える家の価値のピラミッドを見てください。

【住宅の価値ピラミッド】

▲ TOP: 便利設備/保険 (太陽光, 蓄電池, 床暖房...)

▲ 3層目: デザイン (見た目, 間取り, 内装...)

▲ 2層目: 快適・省エネ (断熱, 気密, 換気...)

▲ 土台: 安全・長寿命 (耐震性, 耐久性, 維持管理...)

どんなにおしゃれなデザインでも、どんなに便利な最新設備を入れても、家の土台となる「性能(安全性・快適性・省エネ性・長寿命)」が低ければ、その価値は砂上の楼閣です。

寒い、暑い、地震が来たら不安…。そんな家では、心から安心して暮らせませんよね。中古だろうが新築だろうが、まず最優先でこだわるべきは、この「性能」なのです。

2. 最低限ここだけは!住宅性能チェックリスト

では、具体的にどこを見れば良いのでしょうか?

最低限、これだけは押さえておきたい性能項目をリストにしました。物件を見に行くときや、不動産会社・工務店に質問する際にぜひ活用してください。

【住宅性能チェックリスト】

✅ 1.安全性:命と財産を守るための性能

  • 耐震性:

    • 許容応力度計算による耐震等級3か?(消防署などの公的施設と同じレベル)

    • その根拠となる構造計算は行われているか?(特に2階建て以下は義務ではないので重要)

  • 防災:

    • ハザードマップで浸水や土砂災害のリスクは確認したか?

✅ 2.快適性:日々の暮らしの質を高める性能

  • 断熱性・気密性:

    • 断熱等級5以上か?(2025年から等級4が義務化。数値の大小よりもある程度の断熱性が無いと快適性を維持できない)

    • 窓は樹脂サッシか?(断熱性はもちろんだが、結露が発生すると家の寿命に非常に大きな悪影響を与える)

    • C値の測定(気密性)は実施しているか?(数値が小さいほど隙間が少ない)

    • 結露計算をした上で断熱気密設計が為されているか?

✅ 3.省エネ性:光熱費を抑え、環境にも優しい性能

  • エネルギー自給:

    • 太陽光発電や蓄電池の設置は検討したか?(平常時は光熱費の削減、災害時は生活インフラを維持するエネルギー源になる)

✅ 4.長寿命:長く安心して住むための性能

  • 劣化対策:

    • 白蟻対策は行っているか?(出来れば全構造材に白蟻対策を行い、ホウ酸処理などのメンテがいらない方法を選択したい)

    • 雨漏り対策は行われているか?(雨漏りしにくくするための施工の工夫や管理、修繕実績有無など)

  • 維持管理:

    • 屋根や外壁、住宅設備はメンテナンスしやすい構造になっているか?(安易に特殊仕様や隠ぺい配管等を採用すると、後々トラブルに発展する可能性あり)

3. 「高性能な家」がもたらす2つの大きなメリット

これらの性能を確保することで、具体的にどんな良いことがあるのでしょうか?

① 家族の「健康寿命」を延ばす

実は、家の性能と健康には深い関係があることが、国の調査でも分かってきています。

例えば、断熱性の高い家に引っ越した人は、気管支喘息やアトピー性皮膚炎などの症状が改善する傾向にあるというデータがあります。室内の温度差が少ないため、冬場のヒートショックのリスクを減らし、血圧が安定することも報告されています。

暖かい家は、快適なだけでなく、家族が長く健康に暮らすための「投資」でもあるのです。

参考情報: 国土交通省「断熱改修等による居住者の健康への影響調査」

② 大地震から家族の「命と財産」を守る

チェックリストにもあった通り、「耐震等級3」と「構造計算」の組み合わせは、命と財産を守る上で非常に重要です。

これにより、震度7クラスの大地震の後も、大きな修繕なく住み続けられる可能性が格段に高まります。例えば2016年の熊本地震において、住宅の耐震性能と実際に損壊が発生した住宅の割合を調べた結果を以下に示します。耐震等級3の住宅は大きな損害を受けた割合が極めて低くなっています。これは地震が起きても住宅が深刻なダメージを受けることを防止しているだけでなく、地震が起きた後にも最低限の家としての機能を保ちやすいことを意味します。大災害にあってただでさえ疲弊している中で、衛生面や快適性も悪くなりがちで心身の健康を損ないかねません。

参考情報: くまもと型住宅生産者連合会「耐震等級3のススメ」

4. 「エネルギーの自給自足」は究極の防災対策になる

太陽光発電や蓄電池は、単なるエコ設備ではありません。

災害時に、自宅を「プライベートな避難所」に変えるための、究極の防災投資です。

大規模な停電が発生しても、自宅で電気を使い、エアコンやスマホの充電、最低限の調理ができます。住み慣れた家で安心して過ごせる価値は計り知れません。


まとめ:見えない価値にこそ、目を向けよう

キッチンやお風呂などの設備や、内装は後で入れ替えることができます。しかし、家の骨格となる構造や断熱構造(=快適さ)、メンテナンス性といった「性能」は、後から簡単には変えられません。

間取りやデザイン等を気にしがちですが、後から変えられないや困る部分を最初からこだわって設計しておくことで、住宅の長寿命化、家族の健康、快適性、もしもの時の保険を同時に達成できる可能性が高まります。お金はかかるかもしれませんが、お金だけでは計り知れない大きなリターンが得られます。

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